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2022年12月05日

割烹料理店と料亭の違いとは? 意味や歴史などから解説いたします


高級和食料理店には「割烹料理店」と「料亭」という2つの種類があります。この2つはどのような違いがあるかお考えになったことはありますか。本記事では、割烹料理店と料亭の違いを言葉の意味や歴史などの観点から解説いたします。

1.割烹料理店と料亭の意味の違いは?

割烹料理店の「割烹」は、もともとは料理のジャンルではなく、調理方法を意味していました。それは、「包丁などで材料を下ごしらえし、火を使って煮込むこと」です。

包丁による下ごしらえで材料を「割」り、火で煮込むのが「烹」にあたります。これにしたがって完成した料理を提供するのが割烹料理店といわれます。このジャンルの店は、カウンターやテーブルを使った座席で構成されているものが多いです。

一方の料亭は「高級な和食店」を意味します。料理は会席料理や本膳料理など、本格的な高級和食が多いです。

料理だけでなく仲居さんや芸妓さんなど、接客面でも高級感を味わえます。企業や政治家、有名人などの会談の場として料亭が使われることも珍しくありません。料亭の座席はお座敷と呼ばれる個室で構成されていることが多いです。

基本的には座席がカウンターを含むテーブル式かお座敷か、メイン客層が一般か富裕層かが割烹料理店と料亭の違いでしょう。

2.割烹料理店と料亭、それぞれの歴史は?

割烹料理店という表現は、江戸時代後期に現在の大阪である上方を中心に高級料理店を指す言葉として使われ、当時の江戸料理と対をなす位置づけとされていました。

明示時代後期になると西洋化が進み、座席で料理を楽しめる割烹料理屋が増加します。気軽に洗練された料理を楽しめることから一般の人々に人気となり、大正時代以降には大阪から全国へと割烹料理屋が広まりました。

一方の料亭は、江戸時代後期に料理本の流行を受ける形で見られるようになりました。特に『料理通』の著者である栗山善四郎が営む料亭「八百善」には、地方から来た富裕層や幕府の役人など身分の高い人々が訪れ、大繁盛を極めました。

また、大正時代末期には美食を追求した料理本が次々話題になり、北大路魯山人が発足した料亭「星岡茶寮」や湯木貞一の「吉兆」などが営まれます。これらは従来の遊興的なイメージから料理をじっくりと楽しむことに重きを置いたもので、料亭の新しいあり方を提起しました。

現在も100年以上の歴史を誇る料亭は多く、「一見さんお断り」という注意書きなどに見られる格式の高さも未だ根強いです。

カジュアルに上品な料理を楽しめることから隆盛した割烹料理屋と、身分の高い人々をメインの客層にし続ける料亭というイメージの違いが、それぞれの歴史から分かります。

3.割烹料理店と料亭、それぞれのメニューは?

割烹料理店と料亭のメニューは、ともに和食が中心です。しかしそれぞれで提供されるメニューには違いがあります。

割烹料理店はご飯、汁物、揚げ物、煮物、鍋物などがバランスよく揃えられた御前料理が中心です。一方、気軽に料理を楽しみたいお客様のための一品料理など、客層に合わせてメニューが幅広く設定されています。

料亭では一品料理は少なく、御前料理の品数は割烹料理店のそれより多い印象です。宴会やお祝いを催したい方々のための会席料理や御前料理など、大人数で料理を楽しめるメニューが中心になります。

4.割烹料理店と料亭の店の特徴の違いは?

割烹料理店はカウンターやテーブル式の座席が設けられており、カウンター越しで料理人が調理する様子を眺められます。目の前で料理人が作ったものを味わうことで親近感も得られます。店内の内装や雰囲気は落ち着いており、カジュアルな客層にも親しみやすいです。

料亭は割烹料理店よりも豪勢に作られていることが多く、入り口の門から店舗までの間に中庭が設けられているところもあります。店内はいくつもの座敷で区切られており、旅館のような雰囲気も楽しめます。

座敷から離れたところに厨房があり、完成した料理を仲居さんがお届けします。芸妓さんらによる余興など、上質なおもてなしも受けられます。

5.まとめ

割烹料理店と料亭はともに高級和食料理店の分野ですが、割烹料理店が幾分かカジュアルなイメージがあるのに対し、料亭は富裕層を主たる客層にした店という印象です。

割烹料理店ではカウンターやテーブル式の座席で料理が楽しめ、料理が作られる様子を見られるなど親しみやすい雰囲気に対し、料亭は座敷でくつろぎながら料理を楽しみ、上質なおもてなしを受けるといった品格あふれるイメージを保っています。

銀座の割烹料理店である「佐々木」では、カウンターやテーブル式の座席で洗練された料理を味わっていいただきます。カウンター席では料理人による下ごしらえや盛り付けなど、メニューを作る過程も楽しめます。

旬の食材を生かした料理の味や調理過程を楽しみたい方は、「佐々木」にご来店いただければ幸いです。