食べ物
2022年12月15日

日本料理に薬味は欠かせない! 割烹料理で使用される薬味とは?


割烹料理で提供される料理には、お肉や魚介、野菜などがバランス良く使用されています。日本料理は繊細な味の変化や風味を楽しむものであり、味付けや添え物にも工夫があります。中でも隠し味となる「薬味」は必要不可欠な存在です。本記事では日本料理で使われる薬味の役割についてご紹介します。

1.薬味の役割

どのような料理にも、塩や胡椒などの味付けをする調味料に、生臭さや獣臭さを消すための香辛料を利用します。しかし、薬味はそれらの役割とは全く異なり、素材の味を消さずにアクセントとなる存在です。

薬味という文化は外国ではあまり根付いておらず、自分で料理を好みの味に調整する日本独特の感性があったからこそ誕生したといわれています。日本人は外国人よりも舌が発達しているといわれており、その代表にだしなどの「旨味」があります。水とは違う、うっすらとした味付けは、薬味文化を発展させる影響を与えたとされています。だしで味付けされたうどん汁に七味やしょうが、ゆずやねぎといった薬味は使用するだけで、料理に新しい味わいをもたらします。

一食食べ切るには味気ないものであっても、薬味一つで好みの味に変化させ、飽きることなく食べられるのが薬味の役割であり、魅力の一つです。

2.薬味①わさび

近年では外国でも人気がある薬味「わさび」は、爽やかな風味と辛みが特徴です。食べ過ぎると鼻にツンと来るため、苦手意識がある方も少なくありません。鼻を抜ける辛みは、アリルイソチオシアネートと呼ばれる成分が原因です。わさびをおろした後、酸素に触れると生まれる成分で、おろした後に時間が経過するほど辛みを感じやすい特徴があります。わさびは主に魚の生臭さを取るために使用されており、お寿司や刺身と一緒に食べられることが多いです。

取れ立てのわさびは辛みよりも甘味が強く、生魚以外の薬味として利用されています。消臭や抗菌効果も持っているといわれており、以前は薬草として食べられていたといわれています。独特の風合いを持つわさびは、味のアクセントとして食べられるようになりました。

3.薬味②七味

漢方薬として知られている唐辛子やしょうがなどの薬味は、身体の不調改善のために使用されていました。それらの漢方薬を合わせ、味に深みを増した薬味が「七味」です。七味ができた当初は、買いに求める人の体調や合わせてブレンドを行っていました。

現在ではすでにブレンドされたものが販売されていますが、味の変化が楽しめるゆず入りの七味や、調合されている薬味が異なる七味も提供されています。基本的な副香辛料は芥子の実、胡麻、山椒、麻の実、紫蘇、しょうが、菜種とされています。

七味を使用した料理はうどんやそばが有名です。ほかにも焼き鳥などの少し刺激がほしい料理に最適な薬味となっています。

4.薬味③ゆず

煮物やお吸い物、蒸し物などに使用されるゆずは、料理に爽やかな香りを付けることができます。薬味として利用できるゆずは、生のゆずもあれば粉末状になったもの、乾燥ゆずがあります。

生のゆずを使用する場合は、皮の部分のみを食べるようにします。皮を薄く剥くときは、白い部分があまり付かないように取って食べることがポイントです。白い部分は苦味も強いため、食べることはおすすめできません。また、皮は細く切って使用します。料理の飾りとしても利用するのであれば、端をつなげた状態で縦に切り込みを入れると良いでしょう。ほかにも切り込み次第でさまざまな形にできるので、食べてもおいしく、見て楽しめる料理にできます。

ゆずはうどんによく合います。ほかにも焼き魚やお吸い物、茶碗蒸しなどにも使用されます。皮を擦ったり絞ったりして使用できるので、一つの料理でさまざまな風合いを作れます。

5.まとめ

割烹料理で使用する薬味は、飾りとしての役割だけではなく、一つの料理をさまざまな味で楽しませる役割を果たしています。使用される薬味も種類はさまざまで、どれを使用するかによっても全く違う顔を見せます。

割烹料理屋「佐々木」でも、旬の食材をお客様の要望に合わせて提供しております。よりおいしく召し上がっていただくために、薬味も添えるなどの工夫もいたしております。ぜひとも気軽にお越しください。