割烹で白だしが使われるのはなぜ? 白だしの作られ方から解説!
割烹料理で良く使われる白だし。白だしとは? と聞かれたときに正確に伝えられる方は少ないでしょう。今回の記事では白だしの作られ方から解説し、なぜ割烹で白だしが使われるのかをお伝えします。割烹料理に使われる調味料の白だしを深く知ることで食べるときの楽しみが増えます。
1. 白だしについて
白だしは醤油などと比べると発祥が非常に最近の調味料です。1970年代に七福醸造が白醤油に旨味成分のだしを入れた調味料として発売しました。また、七福醸造よりも先にヤマシン醸造が白つゆとして同じ用途で使える調味料も発売しています。
日本人だけが使用する調味料と思われがちですが、近年では外国の料理人も使用するほど人気を集めています。
1-1. 白だしの白とは
白だしの白とは、白醤油を指します。白醤油は皆さんがよく使う醤油とは成分が違う醤油です。もともと醤油は麦と大豆によってつくられる調味料で、両方の比率を同じにすることで黒味を帯びています。しかし、白醤油は麦の比率を大幅に上げることで、白味を多くしています。色は琥珀色で美しく、味は甘味が若干強いのが特徴です。ただし、製法によって味が微妙に異なることもあります。
白醤油自体は、古くは江戸時代から存在する調味料です。それをもとに比較的近い年代でよく使われる調味料として進化を遂げました。
1-2. 白だしのだしとは
白だしのだしは、文字通りさまざまなだしを指します。鰹節や昆布、しいたけなどの旨味を閉じ込めています。白だしは旨味を付け加える用途でも使用され、味を深める効果も併せ持っています。白だしの塩味と旨味が絶妙に調和することでおいしい料理が出来上がります。しかし、使い過ぎには注意が必要で、味が濃くなり過ぎたり、くどくなり過ぎる原因にもなったりします。これが、プロの割烹料理人が細心の注意を払って使用することでさらに料理がより良いものになります。
2. 白だしは万能調味料
白だしはどんな料理にも使える万能調味料です。例えば、だし巻き卵やおひたし、煮物などあらゆる作り方、用途で使用されています。味を付け加えるだけであれば、ほかの調味料でも代用できてしまいます。ではなぜ、ここまで白だしは料理に使われているのかを下記で解説していきます。
2-1. 白だしの効果
白だしの味は、白醤油の塩味と各種のだしによってさまざまな旨味を持っています。白醤油の製法や使っているだしによって味は千差万別ですが、基本的な使い方は旨味を加えることでより味に深みを持たせる使い方をします。味に深みを持たせることで、使用する素材の味を一層引き立たせる効果もあります。例えば煮物などは良い例です。ベースに白だしの深みがあることで、使用されている食材の甘みや苦みがほどよく際立ち、おいしく感じられます。
2-2. 白だしは素材の色を壊さない
白だしの効果にはもう一つあり、きれいな琥珀色の調味料のため薄めることで、その素材自身の特徴的な色を壊しません。食事を楽しむには味以外にも、食感や色といった要素も必要不可欠です。素材自身の色を壊さないことで、色とりどりの食材の鮮やかな色も楽しめます。また、お吸い物などでは透明な汁の中に、食材が浮かんでいることで色を一層強調することもできます。
3. 割烹料理は素材を生かす料理
割烹料理は素材を生かすということが料理の目的です。素材を生かすには、素材の味はもちろんのこと、素材の色も壊さないように細心の注意を払う必要があります。そのため、白だしは非常に重宝される万能調味料です。下記では、割烹料理で白だしが重宝される理由を解説していきます。
3-1. 割烹料理と白だしの相性
割烹料理と白だしの相性は非常に良いです。お吸い物や、煮物など割烹料理の土台となる料理に使用されている点からも理解できます。塩味や深みを加えるだけであれば、ほかの調味料でも代用できます。しかし、白だしにはそれらに加えて素材の色を保つ割烹料理の基本を守る使い方もできるところがほかの調味料にはない良い点です。この白だし特有のメリットがあるおかげで、割烹料理では、重宝される万能調味料としての地位を盤石なものとしています。
3-2. 素材の味を引き立たせるには旨味と塩分
素材の味はベースになる味があって、より一層引き立ちます。割烹料理では、素材特有の色だけでなく、味も大事にしています。もし仮に、ベースになる味がなければ、ただ甘いだけになったり、ただ苦いだけになったりしてしまうものです。
また、塩をきかせただけでは塩辛いだけ、旨味だけあっても不思議な味にしかなりません。両方が調和して初めておいしいと感じます。その点で、白だしはこの両方を併せ持つ調味料としても重宝される存在です。
3. まとめ
割烹料理にはさまざまな用途で白だしが使用されます。そして、白だしの絶妙なバランスで仕立てられた割烹料理は格別なものです。若いプロが作る素材の味、色を生かした割烹料理が食べたくなったら、銀座の割烹料理屋「佐々木」まで一度足をお運びください。食材の味を極限まで高めて、ご提供いたします。