割烹料理における梅酒の役割とは? 梅酒と合う料理も紹介
当店でのお食事のときに、梅酒をお楽しみいただく機会も多いのではないでしょうか。割烹料理や会席料理には、食前酒として梅酒が提供されることが多いものですが、それはなぜだかご存じでしょうか。今回は、割烹料理と梅酒の関係や、健康効果などをご紹介します。
1.梅酒の歴史
日本でいつから梅酒が親しまれるようになったのかご存じでしょうか。いつからという正確な記録は残されていませんが、その歴史は古く、江戸時代に書かれたとされる書物には、すでに梅酒の名前が記載されています。このことから梅酒の歴史は、少なくとも江戸時代か、またはそれ以前にさかのぼると考えられています。
梅酒の造り方は昔も今もさほど大きな変化はないとされ、当時の梅酒造りにもたくさんの砂糖を使用していたことが想像されます。当時砂糖は大変貴重なものだったことから、梅酒が造られ始めていたことは、身分の高いごく限られた人しか飲むことができなかった貴重なお酒であったと考えられています。
江戸時代後期になると梅酒造りが農家にも広がり、一般庶民の間でも梅酒が親しまれるようになっていきます。時代は巡り、大正から昭和にかけては梅酒ブームが到来し、1962年の酒税法改正を受けて、現在のように一般家庭でも自家製梅酒が親しまれるようになりました。
2.割烹料理ではなぜ食前酒に梅酒?
梅酒は味わいがおいしいというだけでなく、薬用酒として親しまれてきました。梅酒には、胃腸の働きを助けるほか、梅酒に含まれる酸味が刺激となって唾液や胃液の分泌を促し、食欲増進にも役立つとされています。アルコールドリンクは血行を良くして食欲を増進させることが知られていますが、中でも梅酒はアルコール度数が低く、アルコールドリンクが少々苦手という方でも飲みやすい点が特徴です。
当店の梅酒には、お客さまの胃腸に負担をかけることなく、おいしいお料理を楽しんでいただきたい、そんな思いが込められています。
3.食欲増進以外にも期待される梅酒の健康効果
梅酒といえば、優しい甘味とわずかな酸味が特徴のお酒です。この梅酒の酸味には、疲労回復を助ける効果があるとされるクエン酸が含まれています。梅酒の原料になる梅自身にも、ビタミンCやミネラルなど抗酸化作用の高い栄養成分が含まれていることも忘れてはいけないポイントです。
最近疲れを感じやすいというときや、疲れで寝つきが良くないという方、肌荒れが気になるという方に、梅酒は適したドリンクといえるでしょう。
4.梅酒と合わせるならこんなお料理
食前酒としての梅酒の役割をご紹介しましたが、もちろん食中酒としてお楽しみいただくのもおすすめです。食中酒として梅酒をお楽しみいただく場合に、おすすめのお料理をご紹介します。
4-1.和食全般
梅酒は古くから日本で造られてきたお酒であることからも分かるように、和食との相性は抜群で、豚の角煮のような甘辛味の煮もの全般、魚の塩焼など塩気のあるお料理にも良く合います。驚かれることが多いのは、ポン酢で味付けしたお料理との相性です。ポン酢の酸味と梅酒の酸味は、ベストマッチというほど相性が良いものです。ぜひ一度お試しください。
4-2.サラダ
意外に思われるかもしれませんが、梅酒はサラダと合わせてもおいしくお召し上がりいただけます。サラダといえば、ドレッシングに酸味が含まれることが多く、この酸味と梅酒のバランスが良いためです。
4-3.洋風料理であれば塩気のあるものを
和食全般と相性が良い梅酒ですが、洋食と合わせづらいというわけではありません。基本的には、梅酒は塩気のあるお料理との相性が良いと捉えておけば、バランスの良いお料理が見つかりやすくなります。洋風料理に合わせたいときには、塩気をポイントに選んでみてください
5.まとめ
梅酒造りに必要な材料や梅酒を造る工程は、非常にシンプルです。ご自宅で梅酒を造った経験がある方もいらっしゃるかもしれません。梅酒造りに使う材料は、梅とホワイトリカー、それに角砂糖が基本です。シンプルだからこそ完成したときの飲み口に、素材の持つ味わいや風味がダイレクトに表現されます。そのため、割烹料理屋「佐々木」では、おいしいだけでなくお客さまに安心してお召し上がりいただけるように、梅酒造りの要となる梅に強いこだわりを持っております。
梅酒造りは、時間との対話でもあります。長い時間をかけて完成していく梅酒を見ていると、飲んでいただいたときのお客さまの「おいしい」の笑顔が透けて見えるような気がします。ぜひ当店のおいしい梅酒をお召し上がりください。